2016年11月3日木曜日

"genre music →genre music" 過去レビュー掲載誌③ ラティーナ2014年9月号


























ラティーナ2014年9月号 p.92
hikaru yamada and the librarians "genre music →genre music"
88年生まれのフリー系サックス奏者が、あらゆるジャンルの音楽のサンプリング/カットアップによって築いた音に女性ボーカルを加えてマッドかつ洒脱に展開する“避暑ポップ”ユニット初のアルバム。
菊地成孔とコーネリアスの資質を併せ持つと例えると少し大げさかもだが、シューゲイザーやシカゴ音響派から、ブラジル北東部のマラカトゥ・ナサォンのリズムやタンザニアのリンガラ風ギター、キューバのバタ・ドラム、様々なジャズ音源の断片などが饒舌に切り刻まれて浮遊感に溢れたベッドルーム・ポップに仕立てられた音は、先鋭的な南米音楽を好む本誌読者の琴線に触れる点も多いはず。
マカオのEvadeやインドネシアのサンタモニカあたりの“東南アジアの渋谷系”などといった安直な形容に収まらない過剰なまでにハイブリッドな音楽性を示すギターポップ勢に通じる魅力も感じさせる、東京発のドリーミー・ポップの秀作。
(吉本秀純)





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